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「あら川の桃®」の起源
あら川の桃の起源に付いては、諸説色々と有り確かな文献等が残っていないのですが、私の調べた所によると以下の様です。
桃山町誌によると1619年(元和5年)に紀伊藩主となった徳川頼宣(南龍公)が、当地荒川(後の段新田地区)の新田開発に極めて熱心で有り、当時の家臣の安藤忠兵衛に命じ、この流域を開墾させ(1625年)新田村としたとある。
有岡利幸氏執筆の”ものと人間の文化史157”の”桃”では、この時期より桃の栽培が開始され、桃の郷として著名となり、豊産で「新田桃(しんでんもも)」として賞味されたと、果樹農業発達史編集委員会編「果樹農業発達史」(農林統計協会・1972年)に記されていると有りますが、当時の基幹作物は「米」であり、桃栽培と言うよりは殆ど自生の形(放任栽培)で、自然に成った物をただ収穫する程度だったと推測されます。時々、遺跡発掘調査等で桃の種が見つかったと聞きますが、野生種の桃の種で栽培を裏付ける物では無い様です。
しかし天明2年(1782年)の秋に、段新田村(現在の紀の川市桃山町段新田)の村垣弥惣八氏により、摂津の国は池田(大阪府摂津市ー池田市)より桃苗木を導入されたと言い伝えられています。
段新田地区に残る「あら川の桃縁起踊り」の中の「餅つき踊り」にも歌われています。
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本格的な桃栽培は、明治30年〜40年にかけて行われるように成った、桃の袋掛けと整枝剪定の実施と集荷組合(果物組合)の創設により、栽培面積も飛躍的に増え産地化されていったと思われます。
昭和になり太平洋戦争(1941年)の勃発による、主要食物の増産政策や、1945年には当地に軍用飛行場の建設が始まり、桃の木の伐採を強いられ、一時は全滅の危機に瀕したが、地元段新田地区の先輩達の情熱と熱意により、「あら川の桃®」は、目覚ましい復活を遂げ現在に至っています。
余談話
この飛行場は、終戦直前に完成したそうで、飛び立った飛行機はなかった様ですが、終戦直後当地より出兵した兵士が故郷に帰る為に、1機だけ着陸帰還したそうです。
当時を知っている人に聞いたのですが、この飛行機は鉄不足のため張りぼて(胴体等は布張り)だった様です。
毎年3月末より4月上旬には、一目10万本と言われる桃の花が満開となり、辺り一面ピンクの絨毯を敷き詰めたような眺めとなり、この時期に行われる「桃山祭り」及び、桃のお花見には、県内外から沢山の方が桃山町を訪れます。
ちなみに、「あら川の桃」の名の語源は、紀の川市のど真ん中を流れる紀の川が、治水も行き届かない江戸時代のこと、雨が降るたびに荒れたそうです。そこで付いた地名が荒川で「荒川の桃」となりましたが、荒る川は良くないと言うことで、「安楽川の桃」となり、今の「あら川の桃」となったようですが、此も諸説色々とあり確定されたものでは有りません。 |
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(無断転載厳禁)
「あら川の桃の起源」に付いては、”桃山町史”及び”ものと人間の文化史157”等より参照抜粋させて頂きました。
このページを読まれて、他のWebページ等に掲載等される場合は、必ず当園までご連絡を下さい。
このページ記載内容については十分吟味の上掲載していますが、内容に付いての責任は一切負いません。
以上ご了承下さい。 |
万葉集に載せられている桃の句
●「春の宴紅にほふ桃の花下照る道に出でたつ少女」 (作者不明)
●「わが屋前の毛桃の下に月夜さし下心良しうたてこの頃」 (作者不明)
●「向つ峰に立てる桃のならめやと人ぞささやく汝が心ゆめ」 (作者不明)
●「はしきやし吾家の毛桃本しげみ花のみ咲きてならざらめやも」 (作者不明)
●「大和の室原の毛桃本繁く言ひてしものを成らずは止まじ」 (作者不明)
●「桃花褐の浅らの衣浅らかに思いて妹に逢はむものかも」 (作者不明)
※詠まれている桃の殆どは、「桃の花」が主役と言った所でしょうか。 |
当園の安心・安全への取り組み
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当園では安心安全にお買い求め頂ける桃作りを心がけ、耕種的防除(防風林・防風網の全園設置及び剪定方法や時期・施肥時期・摘雷摘果時期等)に全力で取り組んでおります。(平成15年に全園防風網・防風林設置完了し、平成20年度より抗生物質の使用回数を極力減らしています、また丸形黄色防蛾灯等の設置も進めています。)
平成15年より農薬の散布量を減らす為、無人防除システム(スプリングクーラー防除)を中止して、スピードスプレーヤーを導入(SS防除)し、散布農薬量を大幅に軽減する事(約50lカット)に成功しました。また、平成22年度よりスピードスプレーヤーに、少農薬散布噴口を採用しています。
当園全品種の桃は、有袋栽培(桃の実一個ずつに袋をかける栽培方法)の為、桃果実に付着する農薬は、袋により遮断軽減されます。
食品は安全な物が一番です。農薬が残留している物を食べると言う事は、健康を害する事につながって行きます。
しかし、桃は通常栽培に於いて、春先より梅雨時期を経て収穫するまでの天候に大きく影響され、油断をすると収穫量が大きく落ち込み、時には全滅状態になる事もあり、無農薬農法等では、なかなか農業経営が成り立たないと言うのが現状です。だからといって、農薬を必要以上に散布して良いはずは有りません。当園では農薬は適期に、出来るだけ少ない防除回数で、そして少ない散布量で最大限の効果を上げる様にと考えております。
又、肥培管理は有機配合肥料や、3年以上熟成させた堆厩肥を使用しています。そして何かと問題の多い化学肥料等の使用は一切行っていません。
●稲垣農園の桃栽培ポリシー
桃は過剰に土造りをすると味が落ちます、かといって土造りをおろそかにすると、樹勢が落ち収量が上がりません。その微妙なバランスの狭間で栽培・収穫される桃が、一番お客様にも私どもにとっても笑みのこぼれる桃だろうと考えています。
多量の肥料や農薬に頼るのではなく、常に桃の木と会話(観察)をすることにより、適期に必要な農薬・肥料を適量施すことで営利栽培が成り立つ物と考えています。此からも、安全で美味しい桃をお届けする事に心がけ、桃栽培に取り組みたいと考えております。
※当園では上記の様な拘りを持って長年桃栽培に携わってきていますが、無農薬や有機栽培農家ではありません。
コンフューザMM・黄色防蛾灯を設置しています。
オレンジ色の針金状の物がコンフューザです。
10a当たり120本設置が必要で、少し面倒です。 |
コンフューザPからコンフューザMMに!!(桃専用適応害虫追加)合成性フェロモン拡散資材
このコンフューザMMは、殺虫剤散布でないと防除できなかった、桃等の害虫(蛾の仲間)の個体数増加を防ぐことができる資材です。
すべての害虫が防げるわけではありませんが、今後の防除方法に新しい可能性を示すものとして、当園でも平成15年より試験的に導入致しました。
害虫の蛾類の雌は、交尾し子孫を繁栄させるために、雌の位置を雄に知らせる特殊な匂いを発生しているそうです。これが性フェロモンで、雄はこの匂いをたよりに雌を探し、交尾するらしいのです。
コンフューザーMMなどの性フェロモン剤と呼ばれるものは、虫のもつ性フェロモンを化学的に合成したもので、この性フェロモンを果樹園内に長く漂わせることにより、雄が雌を探すことを阻害(交信攪乱)し、これにより交尾機会が減り、次世代の害虫数は激減するということになり、殺虫剤を用いない防除の代表的な方法と言えます。
当園では、適用園地拡大中です。
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黄色防蛾灯点灯!
山際の晩生桃畑に、丸形黄色防蛾灯を設置しています。
桃の害虫である蛾類の嫌う黄色の光を、5月より収穫終了まで夜間桃園を見守ります。
当園では丸形黄色大型防蛾灯を5灯、防水黄色蛍光灯を20灯設置します。
台風接近時の付け外しは面倒ですが、1回でも農薬の散布を押さえることが出来ればと思い設置しています。
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※品種名が赤字の品種は、試験栽培及び少量の為、WEBご注文対象外品種です。
品種名 |
収穫時期及び品種の特性 |
(加納岩白鳳) |
6月末より7月上旬に掛けて収穫される、白鳳の早生系品種です。
古い品種ですが、人気が有りおいしい品種です。(少量栽培品種:注文受付対象外品種です。) |
白 鳳 |
7月上中旬より収穫される品種で、あら川の桃を代表する桃です。
早生系統・普通系統・晩生系統(大玉)があり、当園では普通系統と晩生系統を栽培しています。 |
清水白桃 |
7月中下旬より収穫される品種です。白鳳同様あら川の桃を代表する桃です。
取り扱い要注意の桃ですが、風味(甘み・芳香・舌触り・果汁の多さ)絶品の、桃の女王様と呼べる白桃です。 |
なつっこ |
清水とほぼ同時期に収穫される品種で、果皮が赤く白肉で果肉しっかり目の甘味が強い桃です。
管理方法によりほんのりピンクから真っ赤になります。
清水白桃老木園より改植し増植中です。 |
川中島白桃 |
8月上旬より収穫・果実が大きく甘みの強い桃です。
赤い桃で果肉がしっかりしていて、晩生桃の代表的な品種です。 |
黄金桃 |
果皮及び果肉とも鮮明な黄色(黄金色)の桃です。当園増産中の品種です。
この桃は、常温で追熟させる事により、甘味/酸味の絶妙なバランスの濃厚な味となり、いっそう風味が増します。ゴージャスな桃で、マンゴーに似た肉質・味の為、トロピカルピーチとも呼ばれています。 |
その他 |
桃は土壌・地域(気候等)の影響を受けるため、只今数種類の品種を試作栽培中です。
有望品種は試作及び試験販売等を行っていますので、来園時に見つけてくださいね!! |
清水白桃に付いて
関西地方ではよく見かける白い桃で、果肉が軟らかく、荷痛みしやすく収穫時最も気を遣う品種です。
当園では、地方に配送されるお客様が多いため、やや堅めの残っている状態の桃も同時に収穫を行っています。
桃到着後、まだ堅目の桃は冷蔵庫等に入れず、蓋をしたまま2/3日程度常温で追熟させますと、
清水白桃は果皮が透き通るような薄い白黄色に変わり、芳香がして柔らかく成ります。この頃が食べ頃です。
尚、桃は風味が変わりやすい為、こまめに状態をチェックして、お早めにお召し上がり下さい。
注意:白桃は、追熟させても赤くは成りません。
クール便のご利用について
家庭用清水白桃はクール便にてお送りさせて頂いておりますが、クール便専用トラックの設定温度(約5℃)は
桃にとって低いため低温により果肉の締まりがあるようです。当園の出荷時には適熟のものとやや堅めの桃を
取り混ぜてお送りしていますが、適塾の桃もやや堅く感じるようです。
青みの消えている物を食べる分だけ取りだし、風通しの良い常温の場所で暫く放置後お召し上がり下さい。
(清水白桃・家庭用清水白桃・家庭用川中島白桃)
黄金桃と黄肉桃の違いに付いて
最近、よく黄色い桃の総称として”黄金桃”名が使用されていますが、黄金桃は固有種名です。元来関西地方では8月に入ってから収穫され、ほぼ同時期に川中島白桃が収穫されます。”黄金桃の定義”としては、果皮(栽培方法により赤くなります。)・果肉共に黄金色で、収穫時期は8月初旬以降です。特に、香り・肉質(水蜜桃の様な粘質の柔らかさ)・濃厚な味(絶妙な甘味と酸味のバランス)に大きな特徴があり、他の桃ではちょっと味わえない風味があります。また黄金桃は離核(種と果肉が離れる事)にも、大きな特徴が有ります。黄金桃と黄肉桃の各種は見た目は殆ど同じですが、全く違う品種です。
近年、滝の沢ゴールドや貴美娘・ゴールデンピーチなどは、黄金桃と称して販売されることが多く見かけられます。
他の黄肉桃名:黄ららのきわみ・滝の沢ゴールド・ゴールデンピーチ・黄貴妃・つきあかり・黄美娘・西尾ゴールド等)
神名を持つ果物・桃
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古事記には、黄泉の国(よみのくに)から追われたイザナギノミコトが、桃の実を投げて追っ手(悪霊)を追い払ったと有る。その際、イザナギノミコトは桃に「いま私を助けてくれたようにこれから後も、我が国の人々が憂瀬に落ちて苦しむ時には助けてください。」と仰せられて、大神実命「オホカムズミノミコト」という神の名前を桃に与えたと言うことです。神名を持つ果物は非常に珍しく、桃に邪気を払う力があるとされ、此が桃太郎伝説につながって行ったと言われています。 |
桃の原産地 |
原産地は、中国の黄河上流の高原地帯、陝西省と甘粛省と言われています。中国では古来より、「長寿の果実」とか、「仙果」と言われて不思議な魔力を持つ果物として珍重されました。
日本に伝わったのは弥生時代と言われていますが、その後主に生食用ではなく、魔除けや花を眺める為の観賞用として、栽培された様です。日本で実を食べる為に栽培される様になったのは、江戸時代と言われています。
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桃の機能性 |
桃の実は、昔から”捨てる所のない万能薬”として重宝されてきました。近年注目されているのが、糖尿病などの予防効果です。
桃にはインスリンの働きを良くする効果が認められています。体内にインスリンが足りなかったり、働きが悪かったりすると、糖尿病の原因に成るそうです。
有る研究所では、糖尿病の予防効果以外に高脂血症の予防効果も確認されているそうです。桃の食物繊維は、コレステロールの値を正常にすると言われているペクチンを多く含んでいるほか、便秘の予防にも効果があると言われています。
桃の葉には、あせもやかぶれ・発疹に消炎効果があるとされ、お風呂に入れるなどして昔からよく使われてきました。(よく乾燥させて使用すること)
また最近では化粧品や化粧水などによく使用されています。
種にも血液の循環を良くする成分が含まれているそうです。
桃の香りにも人の気持ちを落ち着かせる、アロマのような効果があるそうです。
最近、和歌山県立医科大学の研究で、桃の実に胃ガンなどの原因となる「ピロリ菌」の増殖に抑制効果が認められるという事が解ったようです。
また、岡山大学等の研究では特に黄金桃には、カロテノイドの含有(β-クリプトキサンチン・β-カロテン・ルテイン・ゼアキサンチン)が確認されているようです。このカロテノイドには、発ガン抑制効果や強い抗酸化作用が有ることが明らかにされつつあるようです。
平成25年8月初旬にマスコミ各社に、桃の機能性に関する研究発表が和歌山県立医大等の研究グループにより行われました。(以下産経新聞平成25年8月1日掲載より抜粋)
和歌山県立医科大学および、国立和歌山工業高等専門学校の研究グループは、実験で「アンジオテンシンU」(ストレス下の動脈硬化や高血圧の原因となるホルモン)を加えた、動脈の細胞に桃のエキスを入れたところ、「アンジオテンシンU」の活動が大幅に抑制されたと言うことです。
つまり、桃には動脈硬化や心筋梗塞の予防効果が期待できると言うことのようです。
(この研究研究結果の論文は、イギリスの食品化学専門誌「フード・ケミストリー」に掲載されたそうです。)
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